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夏の始まりを告げるかの様に蝉が一匹、また一匹と騒ぎ始めたそんな熱い夏のある日…
「ん?何だ、この手紙」
学校から帰ってきた高那昂汰(たかなこうた)は自分宛ての手紙が一通ポストに入っているのを見付けた。
その手紙には差出人が書いておらず、白い簡素な封筒に、昂汰の宛先しか書いていない。
不思議に思いながらも、近所の人が直接いれたのかもしれないと思い、そこまで気にせず部屋に戻ると早速封を開けてみた。
その封筒の中には、封筒同様白い紙の真ん中に、少し大きめの字で
『煉(れん)あなたの力がついに必要になる事態になってしまいました。』
とだけ書かれていた。
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