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一瞬、サユさんから距離を取ろうと軽く振り払いにかかるが、
甘えるように腕を絡め続けるサユさんに根負けしたのか諦めて歩きだす。
多分、サユさんは私に近いタイプの女。
いや、あの佐藤さんを完全に振り回しているんだから私、以上かもしれない。
だからなのだろうか、妙に苛々する。
少しずつ遠退いて行く二人の背中を目で追い続ける。
そして気づくと私の足もゆっくりと動きだし、
2人の後を追うように歩きだしていた。
一体、何をしているんだろう。
自分でも馬鹿な事をしていると自覚はしているけど、
止められない。
悟られないように一定の距離をとって
2人の後を追い続けてしまった。
歩くこと10分余り。
2人は迷うことなく1軒のお店へと入っていった。
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