5人が本棚に入れています
本棚に追加
「アキは相変わらず、厳しいね。うん、幸人のいうことは間違ってないと思うよ。ただそうだね……うん、よくわかんないんだけど」
そういって、春日は恥ずかしげに笑った。
ズルイと思う。
そんなに爽やかに、甘く、綺麗に笑うだなんて。
カッコいいと思うなという方が無理な話だ。
憧れるなという方が無茶な話だ。
好きになるななんて、残酷な話じゃねぇのかよ。
なぁ、神様?
「いや春日お前自分から言い出しといてわかんないって……なぁ明久、そう思わねぇ?」
「いや思わねぇの主語の部分、つまりは何を思わないかがわかんねぇよ」
幸人と話すのは、こんなに楽なのに。
「ハハハ、そうだよね。アキ」
春日とは、目を合わせることすら、難しい。
「……あぁ、そうだな。こいつは昔っから、意味わかんねぇしな」
「えーひでーよー明久ー! なーなー春日ー、明久が虐めるよー」
そうナヨナヨしながら幸人は春日に縋り――
最初のコメントを投稿しよう!