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だってお前――
「熱でもあるのか?」
額が、冷たかった。
思わず顔を回す。
唇が、唇との距離が、1センチくらいしかなかった。
「あ、ぅ……」
「うん、無いみたいだな……具合悪いとかないか、明久?」
「いや……ない、けど……」
すると後ろから、なんにも気づかない幸人が声を掛けてきた。
「おいおい春日、そりゃ男子にじゃなくて女子にやるやつだぜ? お前なにげに人気あるんだから、ンなとこ見られたら……明久お前、女子から恨み買うぜ~……?」
「バーカ、別にボクは人気なんてないよ」
そう笑いながら、春日は離れた。
それを合図とするように、向こうにいた女子のグループが本当に春日を呼び、それに応えて春日と、そして幸人は向こうに歩いていった。
そして俺は、取り残された。
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