あとがき

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 最後までお読み頂き、ありがとうございます。  今年は戦後70年ということで、年内になにか小さな話でも書きたいな、と漠然と思っていました。  広島という地域に住んでいると、戦争・原爆・核・平和……というキーワードは毎日のように、それこそ嫌でも耳に入りますし、自然と身体にしみこんでいる気がします。  でもどこでどう書こうかな……とモヤモヤ悩んでいるときに、イベントを企画された花緒さんから参加の打診を頂きまして、「おお、これは書かねばいかん」ということで一念発起。  その結果、キラキラ海が眩しくてキャッキャうふふなイメージ(←るくみるの勝手な妄想)な瀬戸内BL企画に、こういったシリアスをぶち込むことにあいなりました。  萌え……萌えはあるのか!?  という疑問は残りますが……自分では、思っていたものが概ね書けたのではないかな、と。  お話に出てくる場所はすべて実在します。  ベンチの位置も、実際に平和公園に足を運びまして、一番使いたいと思えた文言がある場所を選びました。  ちらっと補足しますと、お気づきのかたもおられると思いますが、流星の言っている「墓碑に刻まれる残酷な文字」というのは「原爆死」という言葉です。お話のなかにははっきりと入れ込みたくなかったため、わざとぼかしたままにしました。  流星の選んだ未来と、わんすけの選んだ未来。どちらも本物だと思いますが、流星はきっといつまでも背徳感を拭えずに生きていくのだろうなと思います。でもそれでも、というのを描けていたら幸いです。  本当はあとがきを書くつもりはなかったのですが、自分で設けた『戦後70年』というテーマについて、なにも言わないのもちょっと違うかな、と少しお話させていただきました。  では、これからゆっくりとほかの参加者さまの作品を巡って、瀬戸内を旅しに行こうと思います。  みなさんもぜひ、瀬戸内という素晴らしい土地の色を感じつつ、楽しんでみてくださいませ。  このような機会を与えて下さった花緒すずさんと、この物語を手にとって下さった読者さまに、両手いっぱいの感謝を込めて。 【2015年12月7日   るくみる】
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