プロローグ

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   目が合ったと思ったら睨まれた。  威圧感があって、なんか話しかけてほしくなさそう。ていうか、話しかけたら刺されちゃいそうな雰囲気だよね。  プリント配ろうとしてたら、「さっさとやれ」って低い声で脅された。  授業中に居眠りしてたけど、先生も何かされるんじゃないかって怯えてて結局注意されずに一時間が終わってたこともあるよ。  これら全てが、クラスメイトの俺に対する評価だ。  全く、隠したいのか隠す気がないのか。俺が教室で本を読んでいる時でさえ、クラスメイトたちは堂々と俺の悪口を言っている。お前ら、ちょっとは人の気持ち考えてくれる??結構傷つくよ??  まず、前提として俺は異様に目つきが悪い。それは街を歩いているだけでチンピラに絡まれ、喧嘩に巻き込まれ、最終的に迷子の子供を助けようとしたらその子供に怖がって泣かれたレベルだ。  ついでに、俺はネット弁慶だ。ネットでは某大型掲示板で荒んだ書き込みをしている俺だが、リアルでは只の口下手。それに高校には引っ越して入学した為、かつて数人はいた友達はゼロ人。  これでは、広まった誤解がとける筈もなかった。  そう、十六歳の俺ー木花桜哉の目下の悩みごとは、  『俺の行動全てが、勘違いされること』なのである。
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