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「ひいっ、」
放課後に廊下を歩いていて、たまたま肩がぶつかった。
ただそれだけのよくある風景なのに、俺とぶつかった女子は明らかに怯えた顔を見せる。
…慣れてきたと思っていたが、やっぱり少し悲しい。だが、ここで黙っていたら益々変な噂が広まってしまう!
そう考えた俺は、緊張しながらも必死でその女子に話しかけた。
「(ぶつかってごめん俺みたいな人間と)肩が当たるなんて、最悪だ(ったよね?!)」
「うわあああわざとじゃないんです、次からは気をつけますので今回だけは許してください!」
「あっ、待て…」
俺が伸ばした手は、虚空を掴んだ。
俺は、やれやれとため息をついてから、無性に泣きたくなり目線を下に落とす。
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