4.残酷な飼い主

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無理やり顔を上向かせることはなく、言葉で従わせようとしている。 逆らったからといって紫己が暴力を振るうとは思えなかったが、罪人としてなら裁く権利を持った主に従うしかない。 その覚悟が朱実にあるのか。 やはり試しなのか、儚い。 朱実は再び画面に目を向けた。 すると、躰の中心に顔をうずめ、音を立ててすする桔平の姿を見て、朱実は身ぶるいをした。 この辺りからのことははっきりと憶えていた。 この直後、いまと同じ恰好をした朱実を桔平が犯す。 拒絶の言葉とそれを打ち消すような淫猥な音には耐えられない。 堪えていた嗚咽が防ぎきれなかった。 それが合図だったかのように、映像は紫己が現れる寸前で途切れた。
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