1396人が本棚に入れています
本棚に追加
無理やり顔を上向かせることはなく、言葉で従わせようとしている。
逆らったからといって紫己が暴力を振るうとは思えなかったが、罪人としてなら裁く権利を持った主に従うしかない。
その覚悟が朱実にあるのか。
やはり試しなのか、儚い。
朱実は再び画面に目を向けた。
すると、躰の中心に顔をうずめ、音を立ててすする桔平の姿を見て、朱実は身ぶるいをした。
この辺りからのことははっきりと憶えていた。
この直後、いまと同じ恰好をした朱実を桔平が犯す。
拒絶の言葉とそれを打ち消すような淫猥な音には耐えられない。
堪えていた嗚咽が防ぎきれなかった。
それが合図だったかのように、映像は紫己が現れる寸前で途切れた。
最初のコメントを投稿しよう!