1387人が本棚に入れています
本棚に追加
/583ページ
ぅんっ。
朱実はえずき、連動した舌の動きが紫己を煽る。
紫己は容赦なく腰を上下させた。
「イクぞ」
朱実を陶酔させるような濃厚な香りが鼻を突く。
紫己はまるで苦痛であるかのように呻いていた。
「離せ」
荒い呼吸のもと、力尽きたような声が命じた。
紫己を見上げると、首もとをソファに預け、目を閉じて顔を仰向けている。
朱実が、果てた紫己を見るのははじめてだ。
紫己が爆ぜるのはいつも朱実が力尽きたあとで、見たことがなかった。
躰から熱を発散しているせいだろうか、濃艶な雰囲気に朱実は触れたくさせられる。
気づいたときは上下する胸に手を置いていた。
最初のコメントを投稿しよう!