4.残酷な飼い主

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手首がすぐさまつかまれる。 紫己は気だるそうな眼差しで朱実を見下ろした。 「さわるな」 朱実の手を払いのけると、紫己は朱実の脚の間に手を入れた。 敏感な場所を指がかすめると、それだけで朱実は快楽に喘ぐ。 そこが、体内の入り口から溢れた蜜でぬめっているのは、紫己から音を立てられなくても感触でわかっていた。 「触ってもいないのにすごいな。朱実は最高だ」 紫己は桔平の言葉を真似た。 けして賛辞でもなければ悦に入っているわけでもない。 「寝ろ。おれは仕事がある」 邪険に朱実を目のまえから遠ざけ、紫己は身なりを整えるとダイニングのテーブルに行った。 抱き合ったあとに抱きしめられることがいかに幸せだったか、朱実は虚しいほど思い知った。
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