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「こんばんは、乗って」
静華は助手席を指差した。
「……え?」
唐突な誘いに朱実はなんの判断もつかない。
「話したいことがあるの」
「でも……」
「ムラサキが待ってるから? ちょっとですむわ。それに、ムラサキの将来に係わることだと云ったら?」
そう云われれば避けるわけにはいかない。
静華や桔平たちとの付き合いがあれからどうなっているのか、紫己に訊いておくべきだったと朱実は後悔した。
いま、本当に避けられないのか、判断材料にはなったはずだ。
「朱実さん、人に聞かれたらまずいんだけど」
「……わかりました」
「じゃ、乗って」
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