5.一つしかない選択肢

10/31
前へ
/583ページ
次へ
独りでやっていこうと決めていたのに、自分の気持ちに負けた結果、またふりだしに戻った。 「行き先は相談に乗ってもいいわよ。 ほら、最初に会ったとき話したでしょ。 理沙がやってるレストラン、いくつかあるのよ。 わたしたちが行くのは会社に近いところに決まってるし、そうじゃない東京の外れの店をお世話してもいいんだから。 引っ越し先もお世話するわ。 一週間もあれば結論を出せるわよね」 つまり、一週間すぎたら知らないぞという脅しなのだ。 静華の眼差しを見ればそうとしか取れなかった。
/583ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1396人が本棚に入れています
本棚に追加