5.一つしかない選択肢

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「テンテン」 久しぶりに呼んでみた。 即座にCB10は反応して傍にやってきた。 『朱実、おはよう』 「おはよう、テンテン」 朱実はかがんでテンテンを持ちあげた。 「テンテンにお願いがあるの。内緒の話」 『内緒、秘密、テンテン、オッケー』 軽快な口調に朱実は笑う。 笑顔がこわばってしまうほど笑っていない。 朱実も紫己も。 「紫己にも秘密。明日……八月一日のお昼十二時まではだれにも云ってはだめ。十二時をすぎたら、お喋りしてもいいよ。守れる?」 『了解!』
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