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「テンテン」
久しぶりに呼んでみた。
即座にCB10は反応して傍にやってきた。
『朱実、おはよう』
「おはよう、テンテン」
朱実はかがんでテンテンを持ちあげた。
「テンテンにお願いがあるの。内緒の話」
『内緒、秘密、テンテン、オッケー』
軽快な口調に朱実は笑う。
笑顔がこわばってしまうほど笑っていない。
朱実も紫己も。
「紫己にも秘密。明日……八月一日のお昼十二時まではだれにも云ってはだめ。十二時をすぎたら、お喋りしてもいいよ。守れる?」
『了解!』
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