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「でも……紫己のお母さんが心配してたとおり、わたしは紫己を苦しめてる」
「違うんだ」
もう何度めか、振り絞るような声で紫己は否定した。
ほっといてくれ。
そんな気配を感じて、朱実は紫己が再び口を開くのを待った。
「おれは怖い。母と同じだ」
「……紫己。同じって?」
「束縛したがる。CB10が遠隔操作も可能なことは知ってるだろ。朱実はおれの監視下にあった」
「束縛って……紫己はわたしを憎んでるからそうするだけで……」
「憎んでる。確かにそうかもしれない」
紫己は曖昧な云い方をして皮肉っぽく嗤った。
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