2.解毒

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ずっとよく眠れていなかったのか、紫己の躰が怯えたようにふるえ―― 「結局、おれは母の意に背いている。 けどいま、母はあのとき救われたんだって思えるんだ。 何があったか知ることができていたら……おれが打ち明けていたら、だれも苦しまなかったかもしれない。 償うのはおれだ。朱実にも朱実のお母さんにも」 そう云った声もふるえていた。 「紫己が悪いことなんてない。 お父さんはわたしのせいじゃないと云ってくれて、だからわたしはお母さんとの約束、すぐに破るべきだったっていまは思ってる。 そしたら、いま云ったこと、紫己は話してくれたでしょ? 少しは状況が変わってたかもしれない。 何を云われるとしてもお母さんにまた会いにいきたい。いまそう思える」
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