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朱実にも紫己にも、心底から幸せだとは云えるときはこないかもしれない。
ただ紫己には、少しでも大丈夫と安らいでほしい。
朱実は手のひらで紫己の背中を撫でる。
頭上でふっと吐息が漏れ、天辺の髪がそよぐ。
呼吸は体温とともに温かく朱実に纏った。
安堵だったのか、笑ったのか、それはわからなかったけれど――
-The conclusion.- Many thanks for reading.
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