2人が本棚に入れています
本棚に追加
初夏
……………………………………………………………
「えー、今日は運動会の係を決めまーす」
「おー!やったー!授業潰れる」
「ねね、何の係にする?」
先生の言葉にみんな思い思いの言葉を口にする
(今年はどーしよ、去年決勝だったからなぁ……)
私が悶々と悩んでいると
「沙織は何にする?」
駿がポツリと言った
「んー、悩み中。駿は?」
「俺、応援団」
「あぁ、健太に誘われてたもんね」
「そう、何回もね」
「はは、なんか想像できる」
頭に浮かべたイメージが面白くてクスッと笑った
「なぁ、沙織」
「ん?」
「応援団一緒にやらね?」
「え……?」
今…私誘われた?
「あ、嫌なら別にいいんだけど」
「ううん、やる!やりたい!」
「……そうか」
駿は安心したのかそっと微笑んだ
「いや…やるなら4人でやりたいなぁって思って。ほら健太も澪の事誘ってる」
「あ、ほんとだ」
そこには澪のことを必至で説得している健太の姿があった
「……健太めっちゃ必至」
「ちょっと笑える」
「それな」
「でも澪嬉しそうだよ?」
よく見ると少し笑顔を浮かべながら断っているから
多少は嬉しいのだろう
健太もそれが分かってて何回も誘ってる
何気に付き合いが長い私達だからそれぐらいはわかってる
「……本当あの2人付き合っちゃえばいいのに」
「あぁ、わかる」
遠くからでも分かる暖かい雰囲気が2人の周りにはある
(本当……お似合いだなぁ)
そんな羨望のセリフが頭に浮かんだ
「あ、澪OKだって」
健太が両腕で丸を作ってる
最初のコメントを投稿しよう!