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春
満開の桜が咲いた頃、私は小学6年生になった
(いつのまにか6年に…。)
あっという間に過ぎていく日々に少し寂しさを覚えながら私、水島沙織はてくてくと歩いていた
「お、沙織」
ふと声をかけられ振り返れば
「あ、駿。おはよ」
「おう」
彼は逢坂駿。3年生のクラス替えで一緒になり、気が合ってよく一緒にいる。
「…そーいやさ」
「ん?」
駿がポツリと言った
「もう6年だな」
「うん、早いね」
「先生、最高学年ですよーとか言うんだろうな」
「ははっ嫌だー」
そん時ふと頭に浮かんだ
(この日常もいつか……)
「お、駿!沙織!」
「はよ、健太」
「….おはよー!」
(ダメだよ…)
こんなこと考えちゃダメだ。
「沙織?どーした」
「ううん、ちょっとボーッとしてただけ」
この元気な子は三上健太。駿と同じ4年で一緒になった。メンバーの中ではムードメーカー的な存在だ
「てかお前ら今週のジャンプ読んだか!?」
「あ、読んだ読んだ!」
「ナルト、ヤバかった」
「「それな」」
「サスケかっこよかった~」
「俺はサクラちゃんだ!」
「駿は?」
「俺?俺は…ヒナタ」
「あー!清純派かー!」
「清純派って…」
駿はちょっと苦笑いした
「うちはカカシ先生だな」
「あ、澪!」
「ん、おはよ」
「おはよー澪!」「はよ」
彼女は高橋澪。私とは1年の頃から一緒で大親友だ。
この3人と私はいつも一緒にいる
いわゆる「いつメン」ってやつだ
このグループでいるときが一番好き。一緒に登校して、一緒に遊んで、一緒にバカやって…。
そんな日々が大好きだ……。
「ねぇ、今日遊ばね!?」
「さんせー!」
小学校、最期の年。
満開の桜が咲き始めた頃、私達の長い長い物語の序章が始まった
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