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父さんが死んだ。
兆候もなく、突然。
死因は交通事故。相手のトラックが居眠り運転で信号無視をした。
その場に居合わせた数人が巻き込まれて死亡。
犯人は現行犯逮捕。そして私達は途方に暮れた。
一番泣いたのは母だった。私は現実が直視できずに、ただ泣いている母を見ているだけだった。
心の傷を負った母は自殺未遂を繰り返し、身体はボロボロになった。
自傷痕、首に痣が消えることはなく、いつしか家から出ることはできなくなっていた。
否応なく私は高校を辞め、働きに出ることにした。
務めた職場は待遇がよく、中卒の私にも社員という立場を与えてくれた。
「万智、お母さんね、疲れちゃった」
そう言い残し母はこの世を去った。最後は首吊り。私が家に帰ると変わり果てた姿で吊り下がっていた。
私はどうすればいいのかわからず、ただ叫んだ。
「あ……あぁ……母さん、母さん……いやあああああああああああああああ」
騒ぎを聞きつけた近所の人が警察に通報。そのまま遺体を病院へ搬送した。
程なくして、私は会社を退職した。
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