頼まれサンタ

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俺は屋根の上のレンガ造りの煙突から縄梯子を垂らし、火の気の無い暖炉の中へと慎重に下りて行った。 聞いていた通り薪入れ口の蓋の掛け金は外されていた。 履いていたスニーカーを脱ぐと、蓋を開け室内に足を踏み入れた。 真っ暗な洋室の居間の片隅には、俺の背丈ほどもある見事なクリスマスツリーがまばゆい光を明滅させている。 さてこれからが本番だ。 大きな居間を横切って廊下に出ると、目の前にある真っ暗な階段をつま先だけで音を立てずに上りきる。 二階に上がると目の前に動く人影がありドキリとしたが、大きな姿見だった。 俺は、薄明かりで全身真っ赤なサンタの衣装とフサフサの白いツケひげを確認した。
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