最終話

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平日の昼下がり。いつもの公園。 頬を撫でる心地好い風。 少し強い日差しを避けるように木陰に置かれた白いベンチに座る。 「そ、そそそそそれじゃあ、かか神崎さんと、どどど同棲」 「同棲っていうか……同居?ルームシェア?」 手にした大きなメロンパンではなく、話す言葉を噛みまくりの飯山さんとお昼ご飯を食べていた。 「違いますよ!だって、婚約した?してた?んですよね!?そしたら同棲ですよ!」 「なに言ってるんですか!」と、こちらに身を乗り出して興奮する飯山さんに押され、「そうですか」ととりあえず納得しておく。 「それにしても。なかなかの策略家ですね、神崎さんて」 身体を元に戻した飯山さんは大きな口を開けてメロンパンに噛みつき、難しい顔をした。 彼女が感じる景くんの印象は相変わらず良くないらしい。
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