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見知らぬ漫画
毎週買ってる漫画雑誌がある。
物凄く好きな作品もあればそこそこの作品もあるけれど、読まない話は一つもなくて、買うとすぐに読破するし、気に入った話は、コミックスを買ったり、雑誌を捨てるまで何度も読み返したりもしていた。
今夜も、暇つぶしがてらにまたその雑誌を読み返す。
その際に、巻末に読んだことのない話が掲載されていることに気づいた。
知らない絵柄、知らない内容…今まで見たこともない漫画だ。
目次を見るが載っていない。だけど雑誌の巻末に確かに話が掲載されている。
そういえば、昼間、叔母が従妹連れで来てたという話を聞いた。従弟も漫画が好きだし、イタズラ根性の強い奴だから、もしかしたら俺を驚かせるために細工をしたのかもしれない。
もう一度、見知らぬ漫画を読み返す。
タイトルも作者の名前もない辺り、絶対従弟が仕掛けたイタズラだろう。
どこか、他の雑誌から切り取った物を無理矢理くっつけたのか、それともまさか自分で描いた? …それはさすがにないだろうから、友達が描いた話とかかもしれない。
変なイタズラだけど、最終的には捨てる雑誌だから、細工をされてもどうってことはないし、この漫画もそこそこ面白い。だからまあいいか。
その時はその程度で流した。
それから数か月。また、俺が買った雑誌の巻末に知らない漫画が掲載されていた。
前と同じでタイトルも作者の名前もない。でも、絵は同じだ。
読んでみると、前の続きのような気がした。でも、あの時イタズラされた雑誌はもう捨ててしまったから、確かめることはできない。
多分、このイタズラはまだ続く。
そう思い、俺は従弟がイタズラをした雑誌だけを捨てずに取っておくようになった。
一ヶ月か二ヶ月に一度、俺が知らない間に、謎の漫画が雑誌の巻末を飾るようになる。それを残らず溜めておいて、正月に親戚が集まった日、俺は従弟に切り出した。
「なぁ、あの漫画、何?」
「漫画?」
さも、何のことか判らない様子でとぼけてくる。
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