第2章

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巨大な試験管の中に入っていた俺は内側から蹴りを放ちガラスを割ろうとする。 頑丈だったのか罅が入っただけだったがあと数回蹴れば壊れそうだったためガラスを蹴りまくる。 バギッ!!バギッ!!ガッシャーン!! ひび割れが広がり割れるとガラスの割れる音が響くがやはり誰も現れない。 不振に思った拓人は取り敢えず辺りを物色する。 ゲームのように近くのテーブルにある紙 少し離れた場所にあるロッカー 複雑な機械が置いている机 様々な場所を探した結果俺のことについて書かれた紙を複数の箇所で発見し気になるために読み始める。 『試験体Aー35は素晴らしい出来だ。常人を遥かに越える反射速度、下級【AF】を自らの肉体のみで破壊できる膂力、100機の中級AFを下級のAFで撃破。しかしその実験後倒れ目覚めることはなかった。我々はどうにかして目覚めさせようとしたが失敗に終わったため。デッドコピーを作り量産することにした。しかし…………………………………」 しかし以降は血がついて読めなかったためおそらくだが殺られたのだろうと推測する。 この紙に書かれている試験体Aー35とは、今俺が操っているこの体のことかもしれないと思い始めた。 Aー35……あの馬鹿が書いた小説内で出てくる敵対組織エリネメートのオリジン強化人間。 人間を超越した身体能力、思考回路を天から授けられた怪物。本編には一切出番がなく名前だけの存在にどうやら俺は憑依転生したようだ。
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