私、田中 正義(たなかせいぎ)っていいます。

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「北田さん、か、かの、彼女で決まりです」 「この方、大丈夫ですの?   殺人って・・・  わたくしがなぜ?  刑事さん? 証拠はあるんですか?」 私のこと、睨んでますよね。 わかります。とっても視線を感じています。 ヘル、ヘルプです。北田捜査官。 「大丈夫だ。正義、よくやった」 北田が、スマホを耳に当てる。 「北田さん、えっと、あと…  し、証拠は、篠田の家のト、トイレです」 「トイレね。了解」 北田の笑顔と反比例して、 篠田桜の顔が歪んで行く。 「何 ?どうして?」 ひぇぇぇぇ。美人の目が般若になっている!! 正義が泳いだ目をさらに泳がせる。 「だ、だって、し、しししし、篠田さん。  ご、ご、ご、ご自分で、しゃけんで、叫んでいましたから。  ここ、細切れにして、  トイレに流しちゃったんですよね」
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