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一気に酒を呷(あお)り、漓朱に口付け流し込む。
咽(のど)が焼けるように熱く、漓朱は苦しそうに呻(うめ)いた。
「げほっ、ごほ……っ」
「生贄は代々奴隷か子を産む道具として扱われる」
衝撃的な言葉に咳(せき)が止まった。
漓朱の髪にある赤い花の飾りがついている簪が小さく揺れる。
「そなたは道具だ。……殺されぬよう精々我を楽しませる事だな」
何も映していない氷のように冷たい眸。
漓朱は思い切り男の胸を押し、気圧されずに声を上げた。
「ふざけないで! 私はあんたの道具何かじゃない……!」
「あんた、ではない。我は驪珀(りはく)だ」
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