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仲間の一人とは同じアパートの別部屋。本当は皆同じが良かったが、そう簡単に部屋があいてるわけもなく、私達は、なるべく近い場所に住み、仲間との時間を大切にした。息子は私の仲間を本当の家族の様に愛し、仲間も又、家族として愛していた。
彼等との新しい生活は音楽三昧。誕生日や、イベント事があるたび、私達はスタジオを借り、歌を奏で祝った。いつも側にある幸せを感じ、父に向かって語りかけた。『お父さんの死も、彼等がいなければ乗り越えられなかった。』
私の青春は彼等との時間。気が付けば、どんな時も笑って側にいてくれた、仲間は今でも私の壊れそうな心を救ってくれる。
彼等は私に言う。
『お前の歌を世界中の奴らに聞かせてやりたい。』
ただただ、私は歌い続け、誰かの心のほんの一部にうっすらでも私の声が残ってくれればそれが幸。
そして彼等が、私の歌で幸せを感じてくれれば、それでいいんだ。それが私の彼等への恩返し。私は毎日、そう思い、歌い続けたんだ。
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