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私達のバンドでは、オリジナルの曲とコピー曲半半でライブをしていた。オリジナルの曲は私が作詞、作曲は仲間がそれぞれ独自の思考回路で、個性豊かな曲を作っていた。コピー曲の中で、よく歌っていた『涙そうそう』は、いつも父との思い出が溢れ、歌う度、私は哀しみから逃れられなかった。それでも歌い続けたのは、いつも、父を忘れたくなかったから。だから私達はライブのたび、この曲だけは絶対だったんだ…
古いアルバムめくり
ありがとうって呟いた
いつもいつも胸の中
励ましてくれる人よ
晴れ渡る日も雨の日も
浮かぶあの笑顔
思い出遠くあせても
面影探して
蘇る日は涙そうそう
いつも私の心に流れるメロディと言葉。今でも口ずさむ、私の父への思い。どうか天国で、変わらぬ笑顔で見つめていて下さい。
そう思いながら、私はあの頃も仲間と弾き語り続けた。涙と孤独が誘う日々も、何度も何度も歌い続けた。寝る前にまでメロディが頭から離れないほどに…
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