0人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の後ろじゃ、相棒が震えている。
コイツ、あれだけ沢山の虫の死骸を側に置いといて、幽霊とか苦手何だよな。
「入るぞ」
嫌がる相棒を無視し、取り敢えず体を休め様と潜り込んだ。
鍵何てもう用を為していないし、殆どのガラスは砕けちまってる。
それどころか、床面も至るところの隙間から草が生え伸びていて外と大差ない。
「腹が減ったなあ」
不満を漏らしながら横になれば、相棒は恐いせいか、ぴったりと側に付いてくる。
そっちの趣味は無いと定番のジョークでも飛ばそうかと思った時、風でも吹いたか、入って来た扉がけたたましい音を立てて閉じた。
「うおおっ」
ビクついた相棒が奇声を上げ、一目散に逃げ出す。
警察より幽霊が怖いって何なの?
だが下手に逃げた先で、あいつが警察に捕まったんじゃこっちの身も危ねえ。
ガラスの無い窓枠だけのガラス戸を蹴破って、外に飛び出た相棒を今度は俺が追う。
さっきまでは俺の後に付いて来たのに、何だよ、そこまで幽霊怖いか?
最初のコメントを投稿しよう!