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尚も窺う様子。
やべえな、警戒されているか。犬の奴は唸るのを止めねえし。
その時、俺の腹が盛大に遠慮のない音を立てた。
余りにでかい音だったので、扉越しでも爺さんに伝わったらしい。
やがて隠し切れない笑い声が漏れ聞こえて来た。
犬の方は、困った様に鼻を鳴らしているし。
聞き慣れない音だったんだろうな。
「夜通し起きて要らしたのなら、お腹も空いていますよね」
おお、ラッキー。
腹の野郎が間抜けな主張を噛ましてくれたお陰で、爺さん扉を開きやがった。
犬っころの首を抑え、俺等をどうぞと招き入れる。
小柄で痩せ気味の、柔らかな物腰の爺さんだ。
犬種は、ジャーマン・シェパード?
いかにも警察犬みたいな犬だが、腰が低くない辺り何か混じっているかな?
主の爺さんは、グウグウと主張する俺の腹の虫に忍び笑いを漏らしながら奥へと進む。
まあ、小さい小屋だから、すぐに奥には着いたがね。
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