化生転生

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ここら辺りはさり気無く、普通の会話を。 「フライパン、借りますよ」 「はい、どうぞ。私は珈琲を淹れましょう」 今度は、細引きの豆を冷蔵庫から取り出している。 しかし、肉好きの爺さんだな。 野菜よりも、肉の方が多く入っているよ。冷蔵庫の中。 あ、犬っころの餌か。 良いモン食っているな、あの犬。 ジョンだったか? 借りたフライパンにバターを放り込み、卵は渡された器の中でかき混ぜてちょっとばかり頂いた牛乳に塩コショウと。 お、バターが溶けて周りが泡立って来た。 「手慣れたものですねえ」 隣で湯が沸くのを待つ爺さんは、俺の手捌きをニコニコと眺めている。 本当、良い人だねえ。 ジャーッと小気味良い音を立てながら、すぐに固まりだす卵をかき混ぜる。 おっと、火力が思ったよりも強い。
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