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カタンと、閉じられていた筈のケージが開く。
何だ、何の手品だ。
誰も触っていないのに。
相棒が目を剥いてそれを見ている。
コイツが、こんな表情をするのは初めてだ。
その表情からは、確かに殺したのにと読み取れる。
「御二人さんはとんだ悪党ですねえ」
にこやかな爺さんの声。
「ジョンばかりか、私も殺そうと考えていましたよね?」
黒い液体の残るカップをテーブルの上に置く。
妙だ。
腹の中が変に熱い。
「何だよ、爺さん。俺等を返り討ちにする気か?」
「いいえ、既に貴殿方はこちらの手の内に堕ちているのですよ」
「あ?」
凄んでも爺さんに変化は無い。
「食べましたよね?」
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