化生転生

3/34
前へ
/34ページ
次へ
「お願い、子供には手を出さないでっ」 「頼むっ。金はやるから命だけは」 んな文句は聞き飽きているんだよ。 馬っ鹿馬鹿しい。 「だったら、金の在りかを言いなよ。そうしたら考えてやる」 引っ掴んだ髪を引っ張り、男の顔を浴槽に張った湯へとジャブン。 ま、最高温度で張った湯だから、男の顔は既に水ぶくれが出来始めているし、元々の赤ら顔が更に赤くなって茹で蛸状態。 そいつを引き上げ、もう一度ジャブン。 咽て泣いて喚いて。湯だか鼻水だか涙だか、男の顔は酷い有り様だ。 「た、頼む……っ」 息も絶え絶えに喋る男の掴んでいた髪を離す。 途端にもう一度、ジャブンだ。 へっ、面白いの。 俺の後ろには開け放した浴室扉の前で、相棒がこいつの美人な奥さんに包丁を突き付ける。 むっつり黙りこくって、綺麗な肌を舐め回す様に見ているね。 子供? お寝んね中だよ。 ぶん殴って意識飛ばしたから。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加