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にこやかにテーブルの上の皿を指す。
「それが?」
何だ、毒でも盛ったと言うのか。そんな暇は無かった筈だ。
連絡されねえ様に、くっ付いていたんだからな。
「……ヨモツヘグイ」
聞き慣れねえ、呪文の様な言葉を爺さんは口にした。
「私はヨモツシコメですよ。爺さんではありません」
メ? 女、なのか。
婆さんだったのか、しわくちゃで判断付かねえよ。
「ああ、警戒なさらないで下さい。私は貴方をスカウトしたいのです」
途端、俺の横で相棒が腹を抑えてうずくまった。
げえげえと嘔吐し、今しがた食べたモンを吐き出す。
待てよ。食ったのはパンにレタス、卵に珈琲だ。
何で半分腐った様な肉が出て来る?
血みたいな、紅い液体が吐き出される?
俺も同じモンを食ったのか。
気持ち悪くなりそうだが、不思議と胃の腑が熱いだけで嘔吐感は無い。
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