化生転生

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ま、金より命さね。 中には金を取る業突く張りも居るがよ。 そんなのはレア・ケースさ。 大概はこうやって折れる。 まあ、どっちを優先しても辿る結果は一緒だがね。 肩で息を繰り返していた親父は、ふらりと力無く立ち上がると、うな垂れたままボソリと「こちらです」と呟き、先に立って案内を始める。 「へえ、書斎ってヤツか」 陽の当たらない壁側に、びっしりと本が並んだ書庫みたいなこじんまりした部屋に通され、思わずこぼす。 「んで?」 短く催促。 もう観念しきっている親父は、本棚の一部に手を掛けると、ゆっくりそれをスライドさせた。 おやまあ、本棚が丸ごと綺麗に壁に吸い込まれて行くよ。こんな忍者屋敷みたいな仕掛けが有るのは初めてだ。 勿論、本棚の後ろにはもう一つの隠し部屋。 つうか、隠し金庫か。
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