化生転生

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しこたま脱税もしているんだろうな、この親父。 一見善良そうな親父の顔を、俺はニタリと微笑んで小突く。 プチュンともう一つ水ぶくれが潰れた。 傍目から見ても哀れな程ビクついたが、無言のまま親父ちゃんは金庫に手を掛ける。 ま、俺等の後ろじゃむっつりな相棒が、綺麗な奥さんの腰に手を回してギラついた刃物の先を向けているしな。 相棒の視線は、奥さんの肌の上を這う様に蠢いている。 むっつりスケ平が。 コイツはあれだな、遠からず遺体を慰みモノにする異常者になるやな。 暗あいお目々が、それを物語っている。 ま、ロリコン嗜好じゃないだけまともか? ありゃあ異常だよ。 世間一般から見たら俺も異常だろうが、あんな年端も行かない女として使い物にならんモノに何がそそられるんだか。 庇護欲? 綺麗事だな。ピーピー、キャーキャー、小鳥よりも五月蝿く喚くモンは煩わしいだけだろ。
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