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昔ある所に、一人の少年がいました。
昔と言っても、それは、遠い昔の事ではなくて、
あなたの、お父さんや、お母さんが、まだ子供ぐらいだったころの事です。
その少年の、お父さんとお母さんは、
”世界中の、すべての人たちが、あわせに成れますように”
と願いをこめられた、お仕事をしていたのですが、
ざんねんながら、まだ多くの人たちは、そのお仕事を
”良し”とはしていませんでした。
それでも、その少年は、自分のお父さんとお母さんのお仕事を、
とてもほこりに思っていました。
「お仕事の事は、だれにも言っては、いけないよ」
と強く言われていたので、
ほかの子供たちとは、あまり話さず、遊ばない様にしていました。
そんなある日、
少年のお父さんが、
「もう、お仕事はやめる事にしました。 ちがう街で、ゆっくりとくらしましょう」
と言いました。
そして、その少年の家族は、
遠い南の島の、とある町にひっこしする事に、成りました。
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