3.海の向こう

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青年の心は、 またしても、粉々に、くだけてしまいました。 その青年は、涙のない、乾ききった心を、 お酒を飲む事で、いやしました。 その青年の心と体は、 あっと言う間に、とても、とても、悪くなりました。 もう、お酒なしでは、生きてはいけない体に、成ってしまいましいた。 それを、気のどくに思ったのか、となりの部屋に住む、異国の娘は、 毎日、毎日、その青年を、かんびょうします。 お酒の病気を、治し始めた青年は、 もう青年ではありません。 成年です。 成年は、いっしょうけん命、働きはじめました。 そして、いつの日にか、二人は結こんする事になりました。 その二人は、子供がほしかったのですが、 なかなか、子供ができませんでした。 もう、半ば、あきらめて、 「人から、子供をもらおうじゃないか」 と話をしていたやさき、 二人に、可愛らしい、女の子ができました。 二人は、もう大喜びです。 いい事も、わるい事も、 色々な事がありましたが、 その二人は、娘を、とても大事に、いっしょうけん命、育てました。 十年の月日は、あっと言う間に、過ぎていきます。
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