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第1章 まさかの朝
この朝、気が重くなかったと言えば嘘になる。
だから必然、クローゼットの前での服選びも、いささか面倒だった。
その面倒の名は、「同窓会」。
しかも、17年という眩暈がしそうな月日が間に挟まった再会。
しかし、担任だった村上先生が、この春、定年になられた
「お疲れ様会」だなんて言われては、断り難くなる。
その上、前回の優子同様、四人いるという幹事の一人に
高校時代から仲の良い朱里がなったお蔭で、
出席は余儀なくなった。
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