片翼の君に

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 だからだれもが君に奇異の目を向けた。  わざわざかかわろうとしなかった――僕以外は。  だって僕の目に映る君は『特別』だったから。  君は翼と声を失っていたけれど、他は僕やみんなと同じで、瞳は青く、髪が銀色であることも同じだった。  だけど、その同じであるはずの色が君のものだけは特別に見えた。  それに容姿も、君だけは特別だった。  だれを見ても、その姿を見て心が動くなんて感じたことはなかったのに、君を見ればその度に、僕の心は疼くような、そんな感覚をおぼえた。  だから君は僕にとって特別で、それゆえに僕は君に積極的にかかわろうとした。  牢内であれば歩き回ることは自由で、僕は君を見かければ声をかけ、食事も、できるだけ君に近いところを陣取って食べた。
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