20人が本棚に入れています
本棚に追加
だからだれもが君に奇異の目を向けた。
わざわざかかわろうとしなかった――僕以外は。
だって僕の目に映る君は『特別』だったから。
君は翼と声を失っていたけれど、他は僕やみんなと同じで、瞳は青く、髪が銀色であることも同じだった。
だけど、その同じであるはずの色が君のものだけは特別に見えた。
それに容姿も、君だけは特別だった。
だれを見ても、その姿を見て心が動くなんて感じたことはなかったのに、君を見ればその度に、僕の心は疼くような、そんな感覚をおぼえた。
だから君は僕にとって特別で、それゆえに僕は君に積極的にかかわろうとした。
牢内であれば歩き回ることは自由で、僕は君を見かければ声をかけ、食事も、できるだけ君に近いところを陣取って食べた。
最初のコメントを投稿しよう!