陵桜学園で逃走中

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逃走中 こなた「……一応聞くけど、良いことじゃないよね?」 雄一「はい、心して聞いてください」 雄一の表情に、場の空気が一気に氷ついたのを確認し、一呼吸おいて雄一の口が開いた。 雄一「ハンターがここを通ります。しかも、自分の発見が遅れ、向こうから視認してきたかと……」 ドンドンッ ゆたか「ひゃあ!」 予想通りの最悪の報せと同時に、雄一が押さえ込んでいる扉を、黒い影が乱暴にこじ開けようとしていたのだった。 こなた「ちょ!?ヤバいヤバい!やばたにえんじゃん!って言ってる場合じゃない!」 気が動転しているこなたはすぐに扉に向かい、雄一と共に押さえつけた。しかし、そこまで力が強くない学生二人で完封するには不足しているようで、扉は少しずつ開こうとしていた。 こなた「ぐぬぬ……ここで都合良くバフがかからないものか……」 雄一「無理でしょ。こうなったら、僕が囮になります。泉さんは、小早川さんと鍵と共に脱出してください!」 ゆたか「左近君、そんな……」 こなた「死亡フラグ建ちすぎてお城が出来そうだけど、考える暇はないね。お言葉に甘えて!」 ゆたか「ひゃあ!お姉ちゃん!」 バタンッ 扉は勢いよく開けられ、ハンターが保健室の中に侵入してきた。どさくさに紛れて部屋を脱出したこなたとゆたかには目も暮れず、最初に狙いを付けた雄一を見つめていた。 雄一「やれやれ……坂アイドルライブ会場SS席は、自分の手で掴めってことですか……」 残り22名 残り77分
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