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どれ程 泣き続けていたのか。
泣き続ける僕を呼ぶ声がした。
聴いた事がある…
顔を上げると、光の中に人影が浮かんでいた。
「2回だけ、時間を戻す事ができる」
それだけ言うと人影は光と共に消えて、僕の手には、いつの間にか青い玉が握られていた。
時間を…戻せれば?
不思議と何も疑う事無く、青い玉を強く握りしめて僕は願った。
遥!絶対助ける!
一瞬、目の前が闇になって、記憶にある話し声に我に返る。
「なぁ、お前も一緒にサッカーやってかね?」
クラスメートの誘い。
そうだ。
僕は、この誘いに乗ってしまったからっ!
「ごめん。妹が公園で待ってるから。」
「そっか。じゃぁなぁ~」
「ああ。じゃぁなぁ。」
僕は誘いを断り、まだ明るい帰路を公園へと急いだ。
公園には まだ子どもの声が溢れ、その中に楽しそうに遊ぶ遥が居た。
僕の目に涙が溢れ出した。
「あっ!お兄ちゃん!」遥が僕の姿を見つけ、嬉しそうに駆けて来ると「?どしたの?何で泣いてるの?」と、僕を見上ていた。
「何でもないよ。さぁ、帰ろっか」
慌てて袖口で涙を拭うと、僕は遥と家へと歩き出した。
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