3/8
前へ
/8ページ
次へ
どれ程 泣き続けていたのか。 泣き続ける僕を呼ぶ声がした。 聴いた事がある… 顔を上げると、光の中に人影が浮かんでいた。 「2回だけ、時間を戻す事ができる」 それだけ言うと人影は光と共に消えて、僕の手には、いつの間にか青い玉が握られていた。 時間を…戻せれば? 不思議と何も疑う事無く、青い玉を強く握りしめて僕は願った。 遥!絶対助ける! 一瞬、目の前が闇になって、記憶にある話し声に我に返る。 「なぁ、お前も一緒にサッカーやってかね?」 クラスメートの誘い。 そうだ。 僕は、この誘いに乗ってしまったからっ! 「ごめん。妹が公園で待ってるから。」 「そっか。じゃぁなぁ~」 「ああ。じゃぁなぁ。」 僕は誘いを断り、まだ明るい帰路を公園へと急いだ。 公園には まだ子どもの声が溢れ、その中に楽しそうに遊ぶ遥が居た。 僕の目に涙が溢れ出した。 「あっ!お兄ちゃん!」遥が僕の姿を見つけ、嬉しそうに駆けて来ると「?どしたの?何で泣いてるの?」と、僕を見上ていた。 「何でもないよ。さぁ、帰ろっか」 慌てて袖口で涙を拭うと、僕は遥と家へと歩き出した。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加