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「お兄ちゃん、早く早く~っ」 公園で遊んでいたピンクのボールを手にした遥が僕の先を行く。 そんな遥の手から ボールが転がった。 「あっ」遥がボールを追って車道へ飛び出したのと、僕の「遥!!」と叫ぶのと… 車の急ブレーキの音。鈍い衝突音。 撥ね飛ばされる遥の姿。 遥の頭がアスファルトに打ち付けられる。 足が、ガクガクと震えた。 手も、身体全部がガクガクと震えた。 心臓は爆発しそうだった。 「そっそんなっ!そんなっ!何で?何でだよ?こんなのっ!何でだよ~っ?」 僕は、ヨロヨロと、動かなくなった遥に近寄り傍らにへたりこむと、ただただ、泣きながら叫んだ。 これじゃ、時間を戻った意味が無いよ! 何でしっかりと遥と手を繋いでなかったんだろう。 僕が、そう後悔し始めた時、僕の手の中に何かが。 !あの、青い玉だ! 目の前の、遥を見つめる。 今度こそ!今度こそ!絶対に遥を守る! 僕は、青い玉をギュッと握りしめた。
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