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ぼんやりと 白い世界に居た。 ?どこだろう?と、体を動かした瞬間、右肩に走った激痛に呻いた。 病院のベッドだった。 お母さんが 気が付いた僕を覗き込んだ。 疲れ果て、やつれた様に見えるお母さんの目は、泣きはらして真っ赤だった。 !!!遥!!! 「遥は?!」 お母さんは、赤い目に涙を溢れさせ、小さく首を横に振りながら嗚咽を漏らして泣いた。 そんな… そんな… 「何で…」 お母さんが泣きながら話し始めた。その声が何だかとても遠くから聞こえる気がした。 「建築中の足場が倒れて上から直撃したの。 遥は…即死だったそうよ。 あなたが遥の手をしっかりと握ったまま、中々離せなかったと、救急隊員の人が話しながら泣いていたわ…」 病室の白い天井がボヤけた。 あと少し…早くか、遅くに その場を通過していれば! 僕はそう考えながら、手の中に再び玉の感触を期待していたが、握りしめた拳の中に再びあの青い玉は現れなかった。 守れなかった… 助けられなかった… 僕の目尻からは、ぼろぼろと涙が溢れ続けた。
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