第十章・新たなる道へ

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人口減少――都心部集中。 地方との格差が広がる中で、生き残るためには浅く広く販売を行わないと淘汰される。 そのためには、スーパーを含めた異業種との交流も大切だと和久達に力説した。 いずれはネット販売で自宅にいながら、注文できる時代もくるだろう。ただし、それは仮定の話であって、実際はどうなるかは誰にもわからない。 今言えることは、生き残るための手段を先に講じておくことだ―― 花畑の独演会とも言える熱い語りに誰もが黙って聞いていた。 「ふくちゃん、俺の考え方は間違っていると思うか?」 問われた和久は「間違ってないよ」 と、答えた。 「枝光ちゃん、条件は了承した。あとは、戦略だ。やみくもに営業するのは時間的にも人数的にも難しい。大津の負担も大きいだろうし」 和久は大津の顔を見た。 自分の負担が増える大津は半分は納得できない様子だが、先々を考えれば致し方ないと呟き、花畑に聞いた。 「それで明確なプランはあるのか。ここまで、力説したんだから策は講じてあるんだろ?」 「もちろん、人脈をフルに生かして取引先を狙う。ふくちゃんや俺、そして幸太ちゃんもな」 花畑は自信満々に答えるのだった。
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