2/3
前へ
/3ページ
次へ
「死んでください、で終わる一首!?もっと簡単な歌題にすればいいのに」 男3人だけの短歌研究会の部室に、再びレモン味の炭酸水が弾けた。 「先輩が来るって言うからちょっと面白そうなのにしたんす」 「そうっす」 「うーん、難しいなぁ」 先輩がこの部室に来なくなって数か月。 ちょっと痩せた、かな。受験勉強、大変なんだろうな。 先輩は焦点をぼかし、空間を見つめた。歌を詠む前の、特有の表情。 「…まぁ、でも、できた。いきますよ」 僕ら3人は息をのんで先輩の声を待った。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加