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「新入生の諸君!これからとりあえずの1年間、このクラスの担任を任された瀬女 里依菜(せにょ りいな)だ!これからビシバシ指導するから覚悟しとけよ!」
なんと、外見のビジュアルからは想像もつかない自己紹介と内容に突っ込みきれない。
一番気になるのは名前だが……。
瀬女先生は、グラマーな体型ではないが、モデル体型で背は170はありそうな感じだ。
髪は茶髪のショート。顔は大人美人といったところだが、なんとも口調が似合わなさすぎる。
突っ込みきれない先生の自己紹介から、これからの日程についてなど、いろいろと説明を受け、やっと入学したんだなという実感が湧いてきた。
「じゃあ、いろいろめんどくさい説明も終えたことで、これから一人ひとりに自己紹介してもらおうかな、よし、君からスタートして順番にゆってもらおうかな」
自己紹介やっぱするのか……。
これからの高校生活でここが一番肝心だからな……はじけ気味にやろうかな。
いや、それで引かれても困る……やはりここはふつうに……。
なんて考えているうちに、僕の番が迫ってくる。
焦りを感じながらどう自己紹介するか考えていると、ある少女の自己紹介が耳に入った。
「え、えっと……朝比奈 にい(あさひな にい)って言います、よ、よろしくお願いし、します」
「朝比奈、そんなに緊張しなくていいのにー」
先生が笑ってそう言うが、恥ずかしいのか、少女、朝比奈にいはすぐに顔を赤くして席に座った。
なごやかななんのこともないこのシーンが何故か僕の心は惹かれた。
「おーい!熊野川!お前の番だぞ!何ぼーっとしてる!」
先生にそう言われ、ハッと我に帰り席を立つ。
「まったく、何回も呼んだのに今気づいたのか。ほら、自己紹介してくれ」
先生に急かされ、自己紹介を始める。
「あ、えっと、熊野川夜雨です。中学はバスケやってました。これからよろしくお願いしまーす。」
とりあえず自己紹介を終え、席に座る。
でもなぜか、朝比奈にいのことが気になって仕方が無い。
どうしてだかわからないが、そのうち治るだろうと僕は考え、気をそらすのに必死になりながらも、その後の説明などを受け、自宅に帰った。
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