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「おーい熊野川!おはよーさん!」
そう僕の名前を呼んで挨拶してきたのは、赤髪イケメンこと、幕野内和真だ。
「幕野内おはよー、朝から元気いいな」
「おい……その、幕野内ってのやめてくれねぇか?おれ弁当みたいな名字で嫌なんだよなぁ……」
みたいなというよりはそのまんまの弁当の名前だが、どうやら本人も自覚があり、嫌ならしい。
「わかったよ。和真で良かったんだっけ?」
と、僕が返すと幕野内和真は笑顔でグーサインを僕に示した。
「じゃあ、おれも名前で呼ぼうかな!えーと、夜雨?だったっけ?」
「そうそう」
「呼びづらいなぁ………んー。よし、熊野川だから、クマって呼ぶわ!我ながら名案だぜ!」
誇らしげにそう言うが、そこまででもないよーな……。
僕は何でも良かったので、それでいいよと頷き、お互い本当の意味でよろしく、と言った感じでホームルームが始まった。
そう、僕にとっての高校生活2日目が始まっていたのだった。
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