第四章:結成と再会

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晃は本のタイトルとその作者について説明するとミリアムは目を見開いた。 「『アクアマリンの姫』・・・それに作者が『クリス・アーク』って」 「まぁ、確証は無いけど、なんかそれっぽいだろ?」 なんとも微妙そうな表情を浮かべているミリアムに晃も苦笑いを浮かべる。無理もない、本のタイトルでセレナを知っている人ならばイメージが出来てしまうのだ。しかも、ベストセラーにも輝いている為、注目もされやすい本でもあった為、その本のタイトルを見たときに「まさか・・・」と思い、瞬時に購入して内容を確認をした結果がこれなのだから。 「この作者は何処に居るのですか?」 「それも調べた。イギリスらしい。」 晃は世界地図を取りだしミリアムに現在の場所とイギリスの場所を説明する。 「遠いですね・・・」 「あぁ、魔法がもう少しまともに使えれば転移出来るけど、今の状態ではな二人の魔力を使っても行くのは難しいだろう・・・行くなら空路だな。」 空路については、京伽に頼むか、晃の知り合いの伝で行くことも可能であるのでなんとかなる。資金についてもマキナを討伐している資金で十分補える。問題は空路で移動中にベリューアから攻撃を受けた時に防御する手段が無い事だ。 ミュリゥ乗って飛んで行く手もあるが、ドラゴンが飛んでいる所を見られないように長時間魔法を使う必要がある為、難しい所がある。 何より、ミリアムは現状、身元を保証できる物を持っていない為、パスポートを持っていない。作るとしても時間が掛かるだろう。 「まぁ、要するに今のミリアムは日本から出られないんだよ。」 「・・・国を跨ぐには色々と手続きが必要と言うことですね。」 リスティアでも国を跨ぐときは手続きが必要なのは同じである。単に帝の身分に就いていた為、細かい手続きはローブとギルドカードさえあれば免除されていただけなのだ。 「ミリアムの身分については母さんに頼んであるから、それが完了してからだな。そもそも、それが無いとミリアムは学校の試験も受けられないしな。」 「はい・・・」 晃のベッドに座って俯くミリアムを見て、正面に座っていた晃は立ち上がりミリアムの隣に腰かけた。
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