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晃は隣に座るミリアムの頭に手を置いた。
「焦る気持ちも分かるけど今は、準備をしないと」
「はい、わかっています。晃、後の二つについて聞かせてください。」
「あぁ、二つ目の白亜の盾についてだけど、今、このリストを確認しているんだ」
晃はミリアムに白亜の盾のメンバーリストを見せる。
「これは、晃の所属している白亜の盾のメンバーリストですか?」
「あぁ、そうだ。ヒューリ・ウェルアークもベリューアと戦っている人間なら白亜の盾に所属しているんじゃないかって思ってな。」
晃は白亜の盾のメンバーリストを捲りチェックを入れているページを開く。
「まだ半分しか調査していないんだが、この人どう思う?」
そこには髪は黒、瞳は緑だが顔立ちがヒューリ・ウェルアークと瓜二つの男性が写っていた。
「似ています。父に・・・ですが髪の色と瞳の色が・・・」
「あぁ、それに所属している国もな」
その者が所属している国は、アメリカとなっていた。一つ目に挙げた本の作者と違う国の人間だった。
「だが、使用している武器がな」
「刀と投げナイフ・・・」
「あぁ、確かヒューリさんって刀とヒョウって言う投擲武器だったよな」
晃は月夜翠桜を呼び出しミリアムにヒョウを投影して見せる。
「元々は中国で使われていた投擲武器だ。形は俺がいつも使っている苦無と似てるだろ?けど、大きさはヒョウの方が大きいからこれを投げナイフと間違えているとするならば、この人も可能性ありだ。」
因みにアメリカに居る者の名前はブリス・エルフェリア、名前のブリスはアルス語で氷を意味する言葉である。その為、彼は氷系統の魔法が使えるのでは無いかと思っている。
最後に発表された論文についてだがーーー。
「異世界転移論?」
「あぁ、この論文には異世界は存在するのかについて、また異世界に転移する為にはどうすれば良いのかというテーマで論文が書かれているんだ。場所はここ日本だ。しかも大学も近くにあるんだ。でも・・・」
「でも?」
「その人の年齢が、もう六十歳を越えているんだよ・・・元々は海外の人で瞳の色がヒューリさんと同く青いんだ。」
晃は入手した写真をミリアムに見せるとそこには髪は白髪になっているが顔立ちがヒューリ・ウェルアークを思わせるような面影があったのだ。
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