第四章:結成と再会

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そして、論文を書いた者の名前はエルティス・シュリゼンとなっている。 「エルティス・シュリゼン!?これは事実ですか!?」 「残念ながらな、この人はエルティス・シュリゼンっと言うらしい。」 「そんな・・・そんな偶然って・・・失われた五大貴族の名をこんな所で聞くなんて」 リスティア界にある中央の国に存在する現代の五大貴族はミスリルド家、カースドレーム家、ファーシヴァル家、クインディア家、リトレンディア家の五つとなっている。しかし、二十年前にシュリゼン家が五大貴族に名を連ねていた。 だが、戦争によってシュリゼン家は滅びてしまい。その後を継いでリトレンディア家が新たに五大貴族に名を連ねたのだ。 「シュリゼン家と言うのは父が生まれた家の名です。そして、家が滅びる際に父を守る為に記憶を封印して、強制転移で安全な場所に転移させた子供が居たのです。それが、エルティス・シュリゼンという名は父の本名です。」 「・・・その話は初耳だな、けど、ギルドの資料室で記録が抹消されている痕跡があったのには気がついていた。それは滅びたシュリゼン家の記録か?」 「そうです。マスターがシュリゼン家からの要請で父に関わる記録を抹消したのです。」 その話を聞いた事でエルティス・シュリゼンがヒューリ・ウェルアークと言う線が色濃くなった。しかし、あくまでこれは可能性の話だ。 「なら、先ずはこの人に直接話を聞いてみようか」 「行くなら平日ですが、晃には学校が・・・」 「サボる」 「それは、ダメです」 サボると言った瞬間にミリアムに即答されてしまった上に使い魔達からも睨まれてしまった。 「じゃあ、時間は学校が終わってからにしよう。いつ行くかだけどアポも取っておかないといけないから向こうからの返信次第だな。場所はエルティス・シュリゼンの居る大学にしておくよ。」 「はい、ありがとうございます。晃」 「あぁ」 晃は短く返事をして、PCの前に座ってエルティス・シュリゼンにメールを出した。名目は進路を決めるために大学の論文に目を通していたら異世界転移論にもの凄く興味が湧き詳しい話を聞きたいと言う内容にして送信をした。
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